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日本経済新聞2020年2月12日記事への抗議文

2020年2月13日
 貴紙2020年2月12日朝刊「子ども支える養育費を確実に」記事について
意見を述べさせて頂きます。
 この記事は極めて一面的な見方によって書かれていると思います。
 日本における養育費の支払い率が低いのは、諸外国と異なり、離婚後
単独親権という時代遅れの法制を墨守していることに元凶があります。
 もはや先進国はすべて離婚後共同親権の法制に移行しており、離婚後
も両親が協力して子どもを育てることが当たり前になっています。世界を
見渡しても、離婚後単独親権を墨守している国はG7では日本のみ、G20
では日本とトルコのみとなっております。
 日本ではこの単独親権法制のもと、離婚後の別居親と子どもとの面会
交流が権利として保障されておらず、多くの別居親が子どもと会えず、多く
の親子断絶が生じています。
 厚生労働省の調査で、「離婚後面会交流を行ったことがある」及び「現在
も行なっている」と答えた別居家庭は3割ほどしかなく、6割以上の離婚事例
において別居親と子どもは親子関係を断ち切られています。多くの別居親は
子どもに会えぬ悲痛を抱え、自殺する者も相次いでいます。
 この状況で、別居親に養育費の支払いを強制するなら、別居親は子どもと
会えずに金だけ支払う、ATMに成り下がってしまうでしょう。これは人間の
尊厳を損なう重大な人権侵害に他なりません。諸外国を見ても面会交流を
行い、子どもとの絆がしっかりしている別居親ほど、養育費支払の率が高く、
面会交流の充実こそが養育費の支払いにつながっていることが知られて
います。子どもにとっても別居後も両親の養育を享受しつつ、養育費を受け
ることになり、これこそが子の最善の利益に合致します。
 離婚後の共同親権・共同養育なしに養育費の徴収を強制することは
決して許されない暴挙と言えましょう。
 また、貴紙は、昨年(2019年)12月に改訂された養育費算定表を「妥当だ」
などと評価しています。この記事を書いた記者は、この算定表の内訳を
詳細に検討したのでしょうか? 
 この算定表では0歳児~5歳児にまで、学校教育費相当額が計上されて
います(司法研修所編『養育費,婚姻費用の算定に関する研究』46頁)。
明らかに近年の保育・幼児教育無償化が考慮されておらず、架空経費その
ものです。
 この架空経費は一定の割合に応じて養育費に算入され、別居親が支払う
ことになります。同居親が保育・幼児教育無償化により、数万円の保育園
費用を免れる一方で、なぜ別居親は架空の費用を負担しなければならない
のでしょうか? 
 このように見ていくと、新しい算定表は架空請求詐欺を含む杜撰なもので
あり、決して妥当とは言えません。この記事を書いた日本経済新聞の記者は、
上記のような養育費の内訳に踏み込んだ、妥当性の検証を真摯に行ったの
でしょうか?
 
 その他、改訂された養育費算定表の問題については、以下のURLも参照
ください。
https://shizuoyako.wixsite.com/shizuoyako/stop
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